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サウンドディレクションが奥深い!2

前回から引き続きサウンドディレクションについてのお話です!

前回はハリーポッターにサザエさんのBGMをあてたら...という例を出して、

サウンドディレクションの役割についてお話しました。

今回はそれに必要なスキルをいくつかと、

サウンドディレクション面でおすすめの作品の紹介をしていこうかと思います。

では早速いってみましょう!

サウンドディレクションに必要なスキル

 

ひとことで「センス」と言ってしまえばそれで終わってしまうわけですが。w

それでも僕は確実に必要なスキル、知識があると思っています。

そのうちいくつかを紹介しますね!

・雑食性

もちろん「音楽的に」という意味です。

おれは昔からEDMが大好きだしEMDしか聞かないぜ~!

トランスとテクノの微妙な違いだってしっかりわかるぜ~!

という方よりも、ポップもロックもジャズもオーケストラもワールド系もよく聞くよ!

といった方のほうが様々なシーンに合わせた曲を考えれると思います。

メタルはちょっと苦手だなあ...などと思っていても幅を広げると思って

いろいろなジャンルに手を出してみることが大切です。

・仕様理解

先ほど例に出したブレスオブザワイルドでは、

通常、敵に察知されるとフィールドBGMから戦闘用のBGMへと切り替わります。

ハイラル城のBGMがいくら後半からの盛り上がりが最高だったとしても、

敵に察知される毎にBGMが切り替わってしまうのであれば、

その盛り上がりを聞けずに終わってしまうことも多々あるでしょう。

実際はハイラル城のBGMはゲーム内での優先度が高いので、

敵に察知されても戦闘BGMに切り替わらないようになっているので安心なのですが。

あらかじめ知っていれば後半に盛り上がりがある曲も自信をもって作れますし、

逆に切り替わってしまう通常フィールドBGMは少しあっさり目に作るように考えられます。

・指示力、語彙力

全て自分一人で賄うなら別ですが、シーンにあった曲を考えイメージできたところで、

作家に依頼する際に同じイメージを共有できなければ、

思い描いたイメージと違った曲が返ってきてしまいます。

指示書を作るにしても、口頭で説明するにしても、

音楽という目に見えないものを相手に伝えるのはなかなか難儀なものです。

幸いリファレンスとして様々な既存楽曲が存在するので、

言葉で表すのが難しければ、この曲のこの箇所みたいに~と指示することもできますし、

かなり有効な策であると思っています。

お薦めの作品

 

ここまでの内容に興味を持って頂いた方!

ぜひこの映画を見てください。

「渇き。」

監督:中島哲也

主演:役所広司、小松菜奈

音楽プロデューサー:金橋豊彦

音楽:GRAND FUNK INC.

表記としては音楽プロデューサーとなっていますが、

恐らく上記で記載した内容のことを示しているのだと思われます。

ぐぐっても「音楽:GRAND FUNK INC.」は結構出てくるのですが、

ディレクターが表だって出てくることは残念ながらあまりありません...。

軽くあらすじを説明しますと、

元刑事である主人公のおっさん(役所広司)はその昔、妻の不倫現場を目撃し、

その相手を暴行してしまったため、仕事も家庭も失ってしまいます。

ある日別れた妻より娘の加奈子(小松菜奈)が失踪したと連絡があり、その行方を追います。

優等生で学校の人気者だった加奈子ですが、行動を追う内にクスリの密売やヤクザの影など

今まで知らなかった娘の輪郭が浮かび上がってくる...という内容です。

加奈子の狂気を表すために使用された曲がこちら。

よくでんぱ組.incの「でんでんぱっしょん」も名前が挙がりますが、

僕がよく狂気を表していると思えたのはこちらの曲の方。

おっさんシーンでは重苦しい雰囲気のBGMが多く、

それとの対比で加奈子のシーンはクラブなど明るい描写の中、

電子ドラッグを思わせるようなビカビカとしたフラッシュや場面転換が頻繁に行われます。

狂気と言えばおどろおどろしい曲が合いそうに思えますが、

この曲は普通に聞くとボーカルの声もかわいく、楽しいお祭りのような雰囲気。

なのにこの曲がぴったりマッチするんですよねえ。

素晴らしいです。

また個人的に大変感心したシーン。

主人公のおっさんがある理由で女の人をレイプするシーンがあるのですが、

絵面はかなりバイオレンスでショッキングなのにここで使われるBGMは

スローテンポかつムーディな楽曲で、とても危機感を感じさせる曲ではありません。

が、この映画の狂気さを演出するのにとても効果的に使用されています。

抵抗して暴れていれば本来聞こえるはずの効果音、叫び声などを無音にして、

BGMのみにすることで、よりその狂気さが際立って見られます。

本当に素晴らしいです。

ちなみにそのシーン、ぐぐれば検索でヒットしますが、

おそらく無断転載なのでこちらに張るのは自重しておきます。

バイオレンスで内容もなかなかキツイため苦手な方にはお薦めしかねますが、

サウンドディレクションとしてはもちろん、映画としてもかなり魅力のある作品なので、

御気に入った方はぜひご視聴してみてください!

最後に

 

二記事にわたり長々となりましたが、

少しでもサウンドディレクションに興味を持って頂けましたら幸いです。

映画やゲームなどで、このシーンでこの曲使うの!?と思ったなら。

サウンドディレクターをほめてあげてください。

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